人間が作った繊維である化学繊維は、最初にレーヨンが発明されて約100年、今や全繊維の半分近くにも達し、今後さらに比重が大きくなっていくことと思われます。 化学繊維は再生繊維・半合成繊維・合成繊維の3つに大別されますが、現在はポリエステルなど合成繊維が最も多く生産されています。
再生繊維は天然の繊維素をいったん何らかの方法で溶剤に溶かして、細い孔から押し出し、引き伸ばして糸の形で繊維素を再生するので、このような呼び方をします。最近流行の資源再利用の再生の意味ではありません。・・・レーヨン・キュプラ・テンセル
半合成繊維とは、天然の資源を主体として、それに合成した化学品を反応させて独自の性質を持った化学繊維を作ったものです。パルプの繊維素を主原料としたアセテートと、牛乳蛋白カゼインを主原料としたプロミックスがこれにあたります。 いずれも繊維素だけのレーヨンや、かつて少量生産されたことのある牛乳蛋白だけで作った繊維と違い、その欠点を補うためにある種の化学品を反応させます。化学品の成分が50%から60%にもなることから、半分合成繊維に近いという意味で半合成繊維と呼ばれています。
合成繊維が世界で最初に作られたのは1930年代ですから、すでに合成繊維も還暦を過ぎているわけです。 工業生産が最も早かったのは、ナイロンです。第二次世界大戦の少し前にアメリカで作り始められ、戦争中はわが国の絹に代って落下傘に使われたことは有名です。戦後は日本でも作られるようになり、特に女性のストッキングに使われるようになり、一躍脚光を浴びました。 その後、ビニロン・アクリル・ポリエステルが相次いで生産されるようになり、1970年代の後半にはピークを迎えました。